回転率や平均在院日数が低い急性期以外の病棟がオススメ

現在の職場の看護体制に対する不満項目を看護師の皆さんに伺ったあるアンケートでは、「人手不足で十分な看護ができる状況にない」や「本来の仕事以外の雑用が多い」といった声が上位にランクインしています。そのような状況の中にあって、「患者さん一人ひとりとじっくり向き合う」ことができる職場を求めて、転職を決断する方が年々増えてきています。

しかし、給与や休日など数字の裏づけがある待遇面の不満と異なり、「ゆとり」というのは実際にその施設に入職してみないとわからないことが多いものです。そこで判断の一つの目安にしたいのが、「ベッドの回転率」と「病棟ごとの平均在院日数」です。

ベッドの回転率が高いということは、それだけ入退院に関する業務が多く、患者さんとじっくり向き合える時間も少ないということになります。一般的に回転率はホームページ等では公表されていませんが、事務局の人に事情をキチンと話せば教えてくれます。

また、病棟の平均在院日数も同様で、急性期病棟はこの数字がかなり低くなります。つまり、ゆとりある看護を目指すなら、緊急入院や急変といった突発的な業務に追われることのない慢性の病棟や療養型の施設が選択肢ということになります。

これらの場合、患者さんの入院期間が長いため、患者さんと関わる期間も長くなり、家族背景もわかるようになり、その分理解も深まります。また、業務もルーチン化されてきますので、時間を短縮でき、ベッドサイドにいられる時間も増えます。

同様の理由で、訪問看護という選択肢もありますが、訪問看護ステーションに戻った後に、事務的な仕事もありますので、それらが苦手な人には向いていないかもしれません。

なお、たとえ急性期病棟であっても、看護助手やクラークなど看護師の仕事をサポートするスタッフが多ければ、本来の看護業務に専念しやすくなります。そのほか、精神化病棟なども、緊急入院や急変が数ないので、業務に慣れてしまえば、ゆとりが出てくることでしょう。