看護師さんが安心して復職できる環境が整いつつあります

点滴や採血などの実技指導も盛んに開催

看護師の資格を持ちながらも、出産・育児、超過勤務が多い、夜勤の負担が大きいなどの理由で、離職を余儀なくされた「潜在看護師」さんは全国に55万人いるとされています。

大部分の方は、環境が整えば復職を希望していますが、離職で生じたブランクがあるため、以前と同じように働けるかどうか不安に思っています。医療の知識や技術は日進月歩ですから、それも当然といえるでしょう。

実際に、ちょっとブランクが長くなると、新しい医療機器の前で立ち往生してしまう、新しい知識や薬の話がわからない、といったことが起こります。点滴や採血と言った基本的な行為でさえ、手が震えたりする方もたくさんいます。

そこで各地の看護協会や医療機関などでは、再就職のための研修を実施するようになりました。その内容は様々ですが、大枠は講義と採血等の実習と考えればよいでしょう。看護師として、働く自身を取り戻すために、基本的な知識と技術をおさらいするわけです。

病院によっては看護師が復職する際、仕事を細かくリストアップした「チェック・シート」を渡しています。「これはできそうだ」「でも、この分野は不安がある」と自己申告してもらい、復職支援の担当者がそれを見て、一人ひとりに合わせた教育プログラムを組むのです。

また、潜在看護師が最も多いのは、仕事と家庭の両立が難しい30歳代であることから、勤務時間の長さや夜勤の負担を緩和したり、託児所を整備するなど様々な配慮がなされるようになってきました。

ブランクのある看護師の採用の有無は病院によって異なりますので、情報収集が重要になります。人材紹介会社を利用して、専任のコンサルタントに相談すると、効率的に求人情報を入手できるうえ、病院見学のスケジュール調整、面接への同行などのサービスを受けることができます。