看護師の再就職支援セミナーで自信を取り戻しましょう

ナースセンターでも研修を実施しています

妊娠・出産、子育てのために看護の現場を離れている「潜在看護師」さんの数は全国で55万人にものぼります。そのうちおよそ8割の方が「子供が大きくなったら、また職場に復帰したい!」と希望している(日本看護協会調べ)のですが、なんらかの不安があって躊躇してしまう方も少なくありません。

なかでも多いのが、「以前習得した知識や技術を忘れていそう…」、「職場を離れている間に登場した医療機器に対応できるかどうか不安…」など、数年間のブランクに関するものです。他の仕事とは違い、命の最前線で働くナースのお仕事はちょっとしたミスが事故に繋がることも少なくないだけに、皆さんが不安を感じるのも当然のことだと思います。

そんなときに活用したいのが、復職を希望する皆さんを対象として医療機関や自治体、看護専門の求人サイトなどが定期的に開催している「看護師の復職支援セミナー」です。

これは希望者の皆さんが一緒になって、バイタルサイン、注射、採血、輸液ポンプの操作、酸素吸入・吸引法、BLS&AED、呼吸・循環アセスメントなどについて、医師やベテラン看護師に研修を行ってもらったり、最新の医療機器を導入している病院を見学するというものです。

ME機器
輸液ポンプとシリンジポンプの操作や点検方法の説明を受けた後、参加者が実際にポンプの操作を行うことで基本操作を復習します。ブランクの長い方にとってはポンプの仕様が変更されていることもあり、復職支援セミナーでの操作が貴重な機会となります。

また、医療現場で実際に発生・報告されているポンプ取り扱い時のインシデントやアクシデントの事例の説明・再現を通じて、ポンプを取扱う際、看護師が注意すべき事項も学習します。

輸液ポンプとシリンジポンプ以外にも、12誘導心電図の使用方法やAED、バッグバルブマスクによる救急蘇生についても実演を通じて学習を行います。

採血・注射・輸血
ブランクからの復職を希望する潜在看護師の皆さんが復職時に最も不安に感じるのが、静脈注射の手技をはじめとしたこの分野ではないでしょうか?

「離職時と穿刺針や点滴セットの仕様が変更されている」、「近年の医療事故の事例、防止策はどうなっているのか」、「静脈注射の際に神経損傷を起こさないか」、「薬剤が循環動態にどんな影響を及ぼすのか」などの不安を軽減するためにデモ血管を使用した実演、講義を行います。緊張感のなかにも、現役時の感覚が懐かしく感じられることでしょう。

院内感染対策
入院患者同士、あるいは医療従事者へ感染を防止するため、医療機関ではどのような院内感染対策が求められるのかを、各細菌の説明、近年の院内感染の事例報告も交えながら学習します。また、実際の手指消毒剤やガウンをガウンを使用して、衛生的手洗いやガウンテクニックについても学びます。

最新の医療・看護の動向
近年、医療を取り巻く環境(技術、薬剤、医療機器ほか)は大きく変化しているため、医療現場を離れて数年経った看護師さんにとっては大きな不安点となります。座学での講座となりますが、最新の医療事情を学ぶことも復職に際しては重要となります。

上記は代表的な看護師の復職支援セミナーの内容ですが、このほかにも、例えば東大病院では医療系人材紹介サービスと共同で再就業支援プログラム「Re-ナース」を開発し、5日間、10日コースで医療界の動向についての講義、最新機器を使った演習、ストレスマネジメント、病棟やICUの見学など本格的な研修を行っています。

就職前に研修を受け、現場の感覚や技術を取り戻したり、最新の医療機器に関する予備知識を習得しておけば、ブランクに対する不安をかなり軽減できますし、なによりも自分に対する自信も取り戻すことができますよね。

実際に復職支援セミナーに参加した看護師の方からは、「看護師の慢性的な不足を新聞やニュースで見るたびに社会に役立ちたいと思っていました。保育所の問題など不安はあるけど、研修を受けたことで『もう一度、資格を活かして働きたい』という意欲がグッとわいてきました。」といった感想が寄せられています。そして、自信を取り戻したなら、今度はあなたと患者さんが笑顔になれる理想の職場探しを始めましょう!