1年で一般病院3年分の経験を積める「がん看護専門コース」

県立静岡がんセンター

がん専門病院として、がんの先進的治療における看護から緩和ケアまで、多職種と連携しながら、地域に根ざした医療を提供している県立静岡がんセンター。2002年開院と新しい病院のため、24時間保育や育児短時間制度など、子育てをしながら仕事を続けられる環境が整備されているのはもちろん、伝統にとらわれることなく、若いスタッフでも患者さんのためになると思ったことはどんどん提案できる風通しのよい環境も好評の理由です。

キャリアアップを目指す看護師にとって、病院のサポートが受けられるかどうか、新たに習得した技術や知識を活用できる場所があるかどうかは非常に気になる点ですが、同病院ではがん看護に必要な教育・研修が非常に充実しています。

ラダー方式の教育システムでは、個人差が出やすいということから、4年目までは経年別の教育カリキュラムを採用。年度ごとの目標を達成していくことで底上げをはかり、4年後には看護の基本的な知識を身に付けられるようになっています。中途採用の場合は、カリキュラムのなかから必要な研修を受けます。

がん専門病院は、がん看護の経験がないと難しいというイメージがありますが、がん患者さんの多くが循環器疾患をはじめとする様々な合併症を抱えているため、がん看護の経験が無くても、得意分野を持つ看護師がお互いに教えあったり、勉強会を開催して新たな技術や知識を身に付けられる環境が整えられています。

そのほかの研修制度としては、ジェネラリストとして基礎を固めたあとは、自分の極めたい分野をより専門的に学べるようになっています。例えば4年までの経年別教育を修了した看護師のなかには「がん看護専門コース」に進む人もいます。

この県立静岡がんセンター独自のコースは、認定看護師教育課程の受験レベルに合わせた授業内容で、講師も認定看護師などが担当しています。同病院は症例も非常に多いため、1年間で一般病院の3年分に相当する経験を積むことができます。

また、認定看護師を目指す場合、どうしても費用面が気になりますが、長期研修費用として受験料や授業料、実習費などの支援が受けられますし、病院内で教育課程を開港しているので、通学のための交通費も必要ありません。

講師、受講者は同じセンターで働く人たちですので、緊張することなく、病棟の仲間達とコミュニケーションをとりながら、高い専門知識を学ぶことができるのも大きなメリットです。