IVRに関する専門知識と看護技術を備えたエキスパート

がんや動脈瘤に対する治療に有効です

IVRは「放射線診断技術の治療的応用」を意味するInterventional Radiologyの略語で、X線透視像、血管造影像、US(超音波)像、またはCT像を見ながらカテーテルや針を入れて、外科手術を行うことなく、できるだけ傷を残さずに病気を治療する画期的な方法です。

病気の場所だけを正確に治療でき、患者への身体的な負担が少ないため、高齢者や状態の悪い進行がんを含むがんの治療ほか、大量出血での救命、血管などの閉塞あるいは動脈瘤に対する治療など、幅広い分野に応用されています。

動脈塞栓術(TAE)、リザーバー留置術、経皮的血管拡張術(PTA)、ステント留置術などの「血管IVR」と、生検、胆管ドレナージ、膿瘍穿刺ドレナージ、結石除去術などの「非血管IVR」があり、病気の種類や状態によって選択、あるいは併用して治療することもあります。

診断・治療機器の発達に伴い、IVRは目覚ましい進歩を遂げており、治療を必要としている患者は増加していますが、IVRを安全に効率的に行うためには、医師、看護師、技師のそれぞれが協力しあることが重要であり、優秀なスタッフが求められています。

しかし、看護の分野ではIVRに関する体系化がなされていませんでした。そこで、IVRの専門知識と看護技術を兼ね備えた人材を育成するために新設されたのが、日本IVR学会が認定を行う専門資格「認定IVR看護師」です。

受験資格として、看護師免許を有すること、学会専門医のもとで5年間に100例以上のIVR看護経験を有すること、学会主催の講習会に2年間で1回以上参加していることが必要となります。なお、5年ごとに資格の更新があり、指定された学会やセミナーに参加して、更新に必要な単位を取得することになります。