がん治療の後遺症として起こるリンパ浮腫のケアを行います

リンパドレナージマッサージを行います

リンパ節やリンパ管の発育不全や二次的な原因によって、圧迫、狭窄、閉鎖が起こり、リンパの流れが滞った結果、皮下組織内に水分やたんぱく質が過剰に貯まるリンパ浮腫。
乳がんや子宮がん、膀胱がん、前立腺がんなどの手術によってリンパ節を切除したり、放射線治療の後遺症として発症するケースが多くなっています。

主な症状は、腕や足の腫れ、重圧感、深部痛、倦怠感、疲れやすさなどですが、一度発症すると完全に治ることは難しく、適切な治療を受けない状態で長期間にわたって放置したり、頻繁に炎症を繰り返すと象皮病にまで進むこともある厄介な病気です。

2008年4月1日の診療報酬改正で「リンパ浮腫指導管理料」が保険適用となったり、リンパ浮腫予防のための患者教育・指導が実施できる看護師の育成を目的とした研修を日本がん看護学会が行うなど、ようやくリンパ浮腫に対する予防的介入や早期発見に力が入れられるようになってきました。

そんななか、患者へのリンパドレナージマッサージ、スキンケア、弾性着衣(ストッキングやスリーブなど)や弾性包帯を用いた圧迫療法、日常生活の指導などを行う目的で誕生したのが日本医療リンパドレナージ協会が認定する「リンパ浮腫セラピスト」です。

認定には協会が行う講習会の受講が必要ですが、受講には医師、看護師、理学療法士、作業療法士、あん摩マッサージ指圧師いずれかの国家資格が求められます。

講習会は解剖理論・リンパドレナージの基礎手技・バンテージの基本などを学ぶ「初級講習会(10日間)」、初級修了者が対象とし、複合的理学療法の応用を学ぶ「中級講習会(12日間)」、中級修了者かつ「上級受講資格取得試験」の合格者を対象に行われる「上級講習会(10日間)」があり、最後の上級講習会を修了することで認定証が発行されます。