治験に参加する患者さんと医師・製薬会社の調整を行います

主な勤務先は医療機関、CRO、SMOです

厚生労働省の省令に基づいて、新薬の効果を確かめたり、既存の薬剤の追跡調査を行うため、患者や健康な人に薬を使用してもらい、その身体的データを集めることを「臨床試験」といいます。そしてこの臨床試験のうち、新薬への厚生労働省の承認取得を目的とするのが「治験」であり、治験で集められたデータは、新薬の効果と安全性を検討する資料にまとめられ、同省による承認審査を受けることになります。

治験を行ううえでなにより重要なのは、患者(被験者)の人権と安全について十分な配慮がなされることです。その前提として、治験の科学的な質と成績の信頼性が確保されていることが必須となります。

そこで厚生労働省では、日・米・欧において合意された国際基準に基づいた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」を試行しました。これが「新GCP(GCP:Good Clinical Practice)」と呼ばれるものです。

この新GCPでは、治験の依頼者(製薬会社)だけでなく、実施する医療機関や担当者に対しても、その遵守を義務付けています。そこで医療機関では新しく「治験コーディネーター」の役割をつくり、被験者の心理面や専門的知識の面からサポートを行うことになったのです。

治験コーディーネーターの主な仕事は、治験の目的やリスクなどを十分説明し、被験者がその内容を理解した上で自発的に参加することを同意してもらう「インフォームドコンセント」、被験者との面談・診察への同席、スケジュール管理、服薬指導、治験データの収集と管理、関連部署との連絡や調整など、多岐にわたります。

治験コーディネーターについている人の資格は、看護師が46.5%と最も多くなっており、次いで臨床検査技師、薬剤師の順番になっています。これは医療に関する知識だけではなく、職業の性質上、高いコミュニケーション能力が求められていることが関係しています。

主な勤務先としては医療機関、医療機関を代行して治験の支援を行う「SMO(治験施設支援機関)」、依頼者である製薬会社を代行して支援を行う「CRO(医薬品開発受託機関)」などが、その代表として挙げられます。